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平成27年度入学式  佐々木学長による祝辞2015年4月 7日

新入生の皆さん、御入学おめでとうございます。ご家族の皆様にも心よりお祝い申し上げます。また、お忙しいところご臨席いただきました御来賓の皆様に厚く御礼を申し上げます。

 

 皆さんが入学されました我が藍野大学短期大学部には、看護師養成コースとして准看護師を対象とする第一看護学科、高校卒業者を対象とする第二看護学科、保健師養成コースとして専攻科を設けております。それぞれの道でぜひ勉学に励んでいただきたいと思います。

 

 皆さん、ご存知のように日本は急激に高齢社会が進行しており、医療・福祉の現場において、看護師・保健師が果たすべき役割はますます大きくなっています。その中で、看護学科を持つ大学は200校以上と急増しております。このように数多くある大学の中から、我が藍野大学短期大学部を選んで下さった皆さんに、ぜひ我が校の教育理念あるいは建学の精神とでもいうべきことばを紹介したいと思います。

それは、「病める人々を医やすばかりでなく慰めるために」です。すなわち身体的治療のみならず患者さんや家族に寄り添い、患者さんや家族が真に安心することができるケアを提供できる医療人を育成することを目指しています。

 つまり、医師中心ではなく、患者さんを中心とした医療の中核となる医療人を育てることを目標としています。では、患者さんとはどういう存在なのか考えてみましょう。

 患者の「患」という文字は心を串刺しにする様からきており、「患者」とは心を貫かれた痛みに苦しむものという意味なのです。英語で「患者」とは、"Patient"といいますが、元々は苦しみをじっと我慢するという意味なのです。すなわち「患者さん」とは病気のために身体のみならず、心の痛みや辛さに苦しみ耐える存在なのです。だからこそ、ただ病気を治療するだけでなく、癒しや救いを求めているのではないでしょうか。

 

 私は、医師になって3年目に2週間入院した経験があります。それまでの患者さんを治療する医師の立場から、治療を受ける患者さんの立場に変わったのです。その際、医師の側からは見えなかったことが、患者さんの立場になって初めて見えてきました。

その一つは、主治医である医師や担当の看護師がベッドサイドに来てくれることが、何にもまして嬉しかったことです。主治医が朝早く来てくれると、なんだか気持ちが落ち着きます。なかなか来てもらえないときには少し不安になります。ひとこと、「大丈夫ですよ。順調です。」と言ってもらえると気分がとても明るくなり、安心します。看護師が笑顔で声をかけてくれると、とても嬉しく、幸せな気持ちになれます。しかし、無表情で口数も少なく部屋を出て行かれると、なんだか寂しく心細くなります。患者の心や気持ちは、医療者の行動や態度によって大きく左右されるということが実感できました。だからこそ医療者は病気を治療するだけでなく、病気のために肉体的、精神的、社会的に苦しんでいる患者さんに寄り添い、癒すことが求められていると思います。そのために、看護師、保健師としての知識や技術を取得するのみならず、それぞれの人間性やコミュニケーション能力を養っていただきたいと思います。

大学だけの勉強だけでなく、ボランティア活動など様々な社会的活動も大切です。何より実習という医療現場での患者さんとの出会いや触れ合いを大切にしていただきたいです。

 

 国家試験に合格して、立派な看護師、保健師になっていただくことはもちろんですが、この短期大学部の学びの中で、一人の社会人として、一人の人間として成長できるよう、ぜひ頑張ってください。

 

 以上をもちまして、私の式辞とさせていただきます。

 本日は誠におめでとうございます。

 

平成27年4月6日

藍野大学短期大学部

学長 佐々木 惠雲

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