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平成二十七年度 学位記・修了証書授与式 学長式辞2016年3月16日

平成二十七年度 藍野大学短期大学部 学位記・修了証書授与式 学長式辞

  

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 卒業生のみなさん、ご卒業おめでとうございます。ご家族の皆様にも心よりお祝い申し上げます。また、お忙しいところご臨席いただきましたご来賓の皆様にも厚くお礼申し上げます。

 

 皆さんは、これから看護師としてあるいは保健師として社会に一歩踏み出すこととなります。ぜひ社会人として強い自覚を持って活躍していただきたいと思います。

 

 それでは、社会人と学生の違いは何でしょうか。学生時代はまず、看護や医療に必要な知識、技術を修得し、それを生かして実習で実際の患者さんにどう接すれば良いのかを系統的に学ばれてきたことと思います。それが基本になることは言うまでもありません。しかし、皆さんがこれから働かれる臨床現場では、生身の患者さん、すなわち病に悩み、苦しむ人と向き合わなければなりません。現場においては、身体的治療のみならず患者さんに寄り添い患者さんが真に安心することができるケアを提供する必要があります。

 しかし、これはまさに、「言うは易く行うは難し」であり、実行することは本当に難しいことです。それでは、日々どのような心構えで過ごせば良いのでしょうか。

 以前、本学を卒業した学生に相談を受けたことがありました。病院に就職して、病棟で患者さんのために一生懸命働いているけれど、患者さんと今ひとつ心が通じ合うことができず充実感が感じられないとのことでした。皆さんの中にも今後同じような悩みを持たれる方も出てこられるかもしれません。

そこで、私から一つアドバイスをしたいと思います。それは、「大切なのは自分が何をやったかではなく、相手に何が伝わったか」ということです。同じ看護、ケアをしても患者さんの反応が全く違うことがあります。それは、私たち医療者の思いや気持ちが患者さんに伝わっているか否かによるのです。

 このような話をすると必ず、「私は口下手だし、患者さんと上手に話せない」と言う人がいます。患者さんに自分の思いや気持ちが通じるためには、饒舌に話す必要はないのです。誠意を持って、真心をもって患者さんと接してください。誠意、真心のない形だけの看護は決して患者さんには通じません。病に悩み、苦しむ患者さんは、私たち医療者がどんな気持ちで臨んでいるかをとても敏感に感じ取ることができるのです。

 患者さんと心が通じ合うことは一朝一夕でできることではありません。皆さんはこれからそれぞれの働く現場で試行錯誤しながら日々努力、精進しなければなりません。しかし、いつかきっとその努力は報われると私は信じています。そして、患者さんの心に思いや気持ちが届けられる看護師、保健師に皆さんがなられることを心より願っております。

 

 「大切なのは自分が何をやったかではなく、相手に何が伝わったか」ということです。

 

 以上を持ちまして、私の式辞とさせていただきます。本日は誠におめでとうございます。

 

平成二十八年月九日

藍野大学短期大学部

学長 佐々木 惠雲

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